シーケンサによる空気圧制御1


はじめに
 空気圧による自動制御は工場のラインなどでたくさん使用されています。特徴は、加える空気圧により無段階に変速ができ、なめらかな作動ができることなどです。身近なところでは電車やバスの自動ドアやクリーンな動力であるため回転寿司の寿司握りロボットなどにも用いられています。ここでは、シーケンサを用いたエアシリンダの空気圧制御をわかりやすく説明します。

1 エアコンプレッサー(空気圧縮機)
air05.jpg (6981 バイト) 必要な空気圧をつくり出すのがエアコンプレッサーです。写真のものは比較的大型のものですが、購入の際には空気タンクの容量、作動圧力、出力(単相か三相)、質量、価格などを見て決めましょう。容量が大きければ、タンクに空気が蓄えられている間は静かなのですが、エアコンはかなり音がうるさいので、延長ホースは長めに用意して別の部屋にでも置いておくことをお勧めします。また、ホースの接続ミスは思わぬ事故につながりますのでご注意ください。


2 フィルタレギュレータ(減圧弁)

air03.jpg (6407 バイト) コンプレッサの圧力調節はコンプレッサ本体でも行うことができるのですが、最終的な減圧は写真のようなフィルタレギュレータを用います。これは、圧力の調整だけではなく、空気中のごみや埃を取り除くフィルタのはたらきも兼ね備えています。今回はエアシリンダとピアニカに送る圧力を4気圧と0.2気圧とに分けたので2つのフィルタレギュレータを使用しました。回路の分け方は電気回路の直列、並列などと同じです。

3 電磁弁
air06.jpg (5851 バイト) 電磁弁はフィルタレギュレータから送られてきた空気圧を制御するための装置であり、電気信号を送ることにより弁の開閉(方向制御)を行います。今回使用した電磁弁は24Vで開閉するものですが、5V程度で開閉するものもあります。電磁弁と一体になっているものがマニホールドという部品です。一つのエアシリンダを動かすためには、入力と出力の二つのチューブをここに差し込みます。写真のマニホールドは小型の2連式のものと大型の8連式のものです。8連式のものを用いることにより「ド・レ・ミ・フ・ァ・ソ・ラ・シ・ド」の8個の鍵盤を叩くことができます。

4 エアシリンダ
air01.jpg (3989 バイト) エアシリンダは電磁弁により方向制御されたマニホールドからの空気圧をシリンダの往復運動に変える部品です。サイズはいろいろありますが、今回使用したものはシリンダ径が10mmストロークが45mmのものです。モータが回転運動を容易に得られるのに対してエアシリンダでは強力な直線運動を得ることができます。

 以上空気圧部品についての説明をしましたが、これらの部品は普通の店にはほとんど置いてありません。空気圧機器の有名なメーカは幾つかありますが、私は(株)コガネイの製品を主に利用しています。直販はしておらず、代理店経由での購入となります。だいたいの値段はフィルタレギュレータ5千円、8連マニホールド2万円、エアシリンダ1本2千円といったところでしょうか。

 ※シーケンサによる空気圧制御2に続く


投稿者:東京都 東京工業大学工学部付属工業高校 門田和雄

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