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長崎県佐世保市・島地シティ夜間保育園
桑原さんと子どもたちの栽培日記
「エンドウの生長日記」

2003年12月〜2004年5月


 「島地シティ夜間保育園」(長崎県佐世保市)は全国に約50園しかない厚生労働省認可の夜間保育園です。早朝6時50分から深夜2時まで56名の園児達が元気に登園しています。病院や飲食店にお勤めされたり、自営業の方々が多く、市内でも交通の便の良い繁華街の近くにありますが、子ども達に色んな自然体験をして欲しいと願い、狭い園庭に柿やビワの木を配し、季節の草花やミニ菜園、ヘチマやサツマイモの栽培などをしています。


 ツタンカーメンのえんどう豆を植えて一週間がたちました。一番変化が大きい時期でしょうか。毎日観察してその変化の早さに驚き、生長が楽しみです。子ども達は毎朝、「今日は芽の出とったよ!」「今5個芽の出とるね〜。」と観察結果を報告してくれます。子ども達の観察眼の成長と共に、えんどう豆もぐんぐん生長してくれますように。
この一週間の生長日記をお送りします。

2003年12月10日(水)
 エンドウ豆の種を露地植え(深さ3pほどの穴をあけ13粒)と水栽培(ペットボトルのそこの部分を切り取り、綿を敷き水を含ませ10粒)にしました。霜や雪に弱いということなので、水栽培の分は発芽したらプランターに植えて室内で栽培しようと思います。ちょうどお遊戯会で「ジャックと豆の木」をするので、「魔法の豆よ」と言うと子ども達は「早く大きくなりますように」「ぐんぐん伸びますように」と言いながら植えていました。

12月13日(土)
 水を吸って大きく膨らんだ種から、一つ目が発芽しました! 子ども達に「ホラ見てん。根っこの出たよ。」と言うと1歳の子が「ネコ?ネコ?」 ・・・まだ促音便は難しかったようです(^_^;)。

12月15日(月)
 水栽培をしている10粒中、今日まで(5日間)に7つが発芽しました。露地植えした種はまだ表面上変化ありません。順調に発芽していると良いんですが…。

12月17日(水)
 水栽培をしている10粒中、今日まで(一週間)に9つが発芽しました。待望の芽も出てきました。綺麗な黄緑色の芽を「綺麗かねぇ〜」と見つめる子ども達。芽の色を「黄色・緑・薄か緑・白くない色」等…色んな表現を教えてくれました。

12月18日(木)
 水栽培をしているすべての種が発芽しました。「ジャックと豆の木」に出演した女の子が「ジャックの豆のごと大きくなると?」と訊くので「そうよ、先生よりずっと大きくなるとよ。」と言うと「私、登りきら〜ん」「僕が登ってやるけん!」「私も!怖くなかもん」と子ども達同士で話してました(^^)。
九州弁が通じましたか(^_^;)?


12月19日(金)
 これから年末年始のお休みに入り、またエンドウ豆も乳児期から幼児期・成長期へと入り、なかなかこまめな日記はご報告できないかと思いますが、一緒に見守って下さい。
よろしくお願いしますm(__)m。

 今日はとても寒く、南国・九州でも朝は雪がちらついています。昨夜、露地植えしたえんどう豆から芽が出た夢を見たので、出勤して真っ先に見に行ったら、何と13粒植えた内の1粒が先日の大雨で掘り返されていて、地表で冷たくなっていました(T_T)。
 他の種は掘り返されてはなかったものの、表面上発芽は認められず、ちょっとがっかりです。見つけた1粒はまだ根も出ていなかったので、拾ってきて室内に置いている水栽培の容器の中に入れました。


12月22日(月)冬至
 水栽培をしている種の芽がちょっぴり伸びて葉の形が見えるようになりました。その様子を見た子どもが「せんせい、なんかヘビのごたる(ヘビみたい)ね」。芽の先の部分が膨らんで、ちょうど鎌首をもたげたヘビのように見えたようです。子どもの想像力は素晴らしいものですね。「本物のヘビ、どこで見たと?」と訊くと、「動物園で見たもん」と誇らしげに教えてくれました。
 お昼頃、姉妹園の佐世保ステーション保育園へ行くと、先日おすそ分けした5粒のうち、なんと2つが土から芽を出して順調に伸びていました!やっぱり室内でプランターに植えた方が良かったのかなぁ〜と後悔。お休みの間にプランターを買いに行こうと決意しました。

12月24日(水)
 プランターとアサガオ栽培などに使う円形の支柱を買ってきました。培養土を入れ、鉛筆の後ろで穴を開けておき、綿の中に長く伸びた根っこを傷めないようにそっと取り出して植え替えました。芽はあまり長くなかったけれど、気持ち伸びるように浅めに植えたので、ちょこんと頭を出しています。子ども達に「土のお布団かけてあげてね」と言うとやさしく土を盛ってくれました。「6個あったとに3個になったねぇ」と芽が出ていないのを心配している様子。「まだネンネしとらすとよ。早く起きてね〜って言わんばたい。」と言うと「早う起きてね〜。」「早う起きんば。もうおやつよ〜。」…お昼寝後のおやつが待ち遠しい子ども達です(^_^;)。

12月27日(土)
 今日は保育納めという事で、子ども達が登園してくるのも今年は今日が最後。今日の大きさを測っておこうね、と定規と背比べしました。一番大きいものは5cm!もう葉っぱの形も広がってきました。「みんなのお休みの後、どんくらい(どの位)になっとるかなぁ?」と子ども達に聞くと、一人が「こんくらい(この位)〜!」と背伸びして自分の背より高い位置を示すと、他の子たちも負けじと「こんくらい!こ〜んくらい!」と背伸びしてみせていました。子ども達の夢と愛情をいっぱい受けてぐんぐん生長してくれますように。
 夕べも雪が降り、九州にも確実に冬が到来しています。露地植えするには遅すぎたかなぁ〜と心配していましたが、何と今朝4つが芽を出していました!まだ土をかき分けないと分からない程度ですが、この寒空の中、発芽してくれたことに感謝!少しでも霜よけになるようにと葉っぱをかけてみました。

12月29日(月)
 日曜日だった昨日はお休みだったので、2日ぶりに見るえんどう豆は6cm半!一日約1cmかぁ、と言うことは、お正月明けには1週間あるから12〜13pになってるかも?!と取らぬ狸の皮算用。露地植えしたえんどう豆も土をかき分けなくても5つの発芽が確認できるようになりました。でも緑色が薄い気が…。やはり外は寒いんでしょうか。
 土曜日に水につけておいたヘチマの皮をはぎ、繊維の部分を干しました。上手く出来れば6個のたわしが完成予定。若い実は腐ってしまっていました。食べておけばよかったーと言われてしまいました(-_-;)。

1月5日(月)
 一週間ぶりの室内のえんどう豆は何と16p!予想をはるかに上回っていました。枝分かれしてきて、ここからつるが伸びる模様。露地植えしたえんどう豆も12個とも発芽。暖冬が幸いしたようです。今日から保育始めという事で、子ども達も元気に登園してきました。子ども達も「こがん大きくなっとる!」驚いた様子で熱心に観察し、定規を持ってきて測っていました。「どのくらいやった?」と聞くと「んん〜・・・16・・・キロ?」。キロの単位を知っていたのは凄い(^^)v。16キロも伸びていたらジャックは登るのが大変だけど頑張ってね!

1月11日(日)栽培から1ヶ月目
 仕事に追われて観察をサボっていましたが、子ども達に言われて見に行ってみると、もう十分つるが伸びていて支柱に留める事が出来そうです。植えてから1ヶ月。寒くなってから植えたのに、室内栽培の威力でしょうか。元気に育ってくれました。
 露地植えした12個はまだ数cmながらも太くて丈夫そうです。明け方に霜が降りるようになりましたが、元気そうなので安心しました。


1月22日(木)
 九州は大雪です。積雪約3p。交通機関は麻痺状態で、職員は車を諦めて徒歩で出勤しましたが、お休みになる職場も多く、登園してくる子ども達もまばらです。でも登園してくる子ども達のために雪かきをしながら雪だるまを作りました。室内で待っている子ども達は生まれて初めて見る大雪が嬉しくて、雪かきで雪を全部片付けられてしまうんじゃないかとそわそわ。「お外で遊ぼうか」と声を掛けると、素早く身支度を整えて外へ飛び出してきました。「あ!雪だるま!」実物は生まれて初めて見たはずなのに遠くからでも指差して見て大喜びです。すぐに新雪を残しておいた園庭を転がって回り誰に言われるともなく雪合戦の始まり。自分達で自然と雪だるまの作り方を会得していっていました。子ども達の遊びの能力は大人が教えるまでもなく発達しているようです。
 ところで露地植えしたえんどう豆はまだ小さかったのですっぽりと雪の中。雨や霜に弱いと言われていたのでもうこれまでか、と諦めつつ、雪解けを待つことにしました。

1月25日(日)
 木曜日の雪も完全には融けきれないまま、日曜日はそれ以上に大雪でした。職員の自宅でも多いところでは30pも積もったところもあったとか。そんなことも知らず私は暖かい国で休暇を満喫していました。
 1月の末にタイへ行ってきました。初めての一人海外旅行だったんですが、短期のパック旅行と言うことで寺院や遺跡を効率よく巡ることができ、久しぶりの海外を満喫してきました。アンコールワットやタージマハルへも行ってみたいなぁ〜と夢は膨らむばかりです。

1月28日(水)
 露地植えしたえんどう豆はまだ雪の中。夜はかなり冷え込むので、何度も凍ったと思われるえんどう豆はもう無理と諦め、室内栽培を頑張ることにしました。子ども達が「見て〜魔法の豆、大きくなったよ」とプランターまで連れて行ってくれました。30pほどに成長したえんどう豆はなんだかか細く支柱に留めるというよりもたれ掛かっていると言う感じ。大木先生の日記と比べて随分生長が遅いような気がします。植える時期が遅かったせいでしょうか?つぼみがついても重みで倒れてしまいそうです。
 遅くなりましたが、水につけておいたヘチマの皮をむいてたわしにしました。若い実は柔らかいたわし、大きな実は丈夫なたわしとその中に沢山の種を作ってくれました。来年はこの種を早めに植えて、大きなヘチマを沢山作るぞ!出来上がったたわしは姉妹園の佐世保ステーション保育園と分けてお風呂の時間に使います。子ども達は青々としたヘチマと出来上がったたわしが同じものとは思えないらしく、「何で穴だらけになったと?」と聞きます。「ヘチマはスポンジの木やもん」と苦し紛れに答えると、「知らんやった〜」と興味津々。私も知らな
かった・・・(-_-;)。

2月3日(火)
 今日は節分と言うことで、子ども達が豆をまくために裏口の戸を開けてみると、露地植えしたえんどう豆を植えたところに青々と茂る植物が。えんどう豆とは思えない菜っ葉のような植物だったので、近寄ってしげしげと観察してみると、葉の形から紛れもなくツタンカーメン王陵のえんどう豆!雪の中でも力強く生長していたんですね。3000年の時の流れにも負けず受け継がれているえんどう豆ですものね。まだ10pほどですが葉の大きさは室内栽培のものの3〜4倍くらいあり、生命力をみなぎらせています。子ども達に「ねぇ、これ何と思う?」と
聞くと「これなん?」と不思議そう。「魔法の豆よ」と言ってもプランターを振り返って「魔法の豆はあっちとよ」とにわかには信じられない様子です。無理もありません。私自身も信じられないような魔法が起こったんですものね。

2月16日(月)
 朝からプランターを見に行くと、子ども達が心配そうに裏口に集まっています。「どがんしたと?」と聞きながら近づくと、保育士がプランターを日向に出しているところでした。「なんだか折れやすくなっちゃって」と見ると一つのプランターは全部のえんどう豆がポキポキと折れています。子ども達がフラフラと生長しているえんどう豆を心配して触っている時に折ってしまったようです。シュンとしている子ども達に「魔法の豆はね、なでなでせんでも毎日『おはよう』って挨拶してあげてたら元気になるとよ」と言うと「おはよー!」「元気になってねー」と声を掛けていました。無事立ち直ってくれるといいんですが。
 姉妹園のえんどう豆はプランターで大切に室内栽培されていましたが、可愛がるあまり、水遣りをしすぎてとうとう根腐れしてしまいました。素人には自然の保水力のバランスをとるのが難しく思えます。
 露地植えしたえんどう豆は15cm位になりました。しかしつる、と言うより幹と呼べそうなほど太くどっしりとした生長ぶりで、まだ支柱は必要ないようです。早くに植えていれば今頃紫色のお花が見られるのでしょうが、こちらはあと1ヶ月くらい経たないとお目にかかれないようです。


 先日、追加のえんどう豆の種が届きました。ありがとうございました。みんなも大喜びで「今度は枯らさんごとせんば(枯らさないようにしなくちゃ)ッ!」と張り切っています。
 3月に入り、寒の戻りで雪がちらついた日もありましたが、今日はお別れ遠足日和となりました。子ども達は動植物園へ遠足に行っており、珍しく静かな園では園庭の満開の桃が青空に映えています。
私も遠足行きたかったなぁー…(´_`;)。
生長日記の続きをお届けします。

2月28日(土)
 最近暖かい日が続き、園庭の梅は満開、桃や桜のつぼみもピンク色の膨らんできました。露地植えしたえんどう豆もぐんぐん成長。もう支柱が必要のようです。大きくなるようにとの願いを込めて、市販のプラスティック製支柱ではなく同法人の敷地内にある竹やぶからもらってきた竹の支柱をすることにしました。支柱にするにはちょっと太めだけれど、くるくる巻き付いてその背を抜いて欲しいものです。お昼寝から起きた子ども達は一瞬えんどう豆が成長して竹になったと思ったようで「大っきゅうなっとるっ!」と驚いて報告しに来てくれました。「よう見てん。緑かとが豆よ。」と言うとがっかりした様子。えんどう豆は随分生長したように思っていましたが、大きな竹と比べるとまだまだ小さく見えてしまうせいでしょうか。「あの竹のごと、大きゅうなるけんね。」と慰めると「い
つ?明日?」と少し気の早い子ども達です。

3月6日(金)
 今日、大木先生よりえんどう豆の種が届きました。ありがとうございました!根腐れしてしまったり、折ってしまったりと災難続きの保育園のえんどう豆を不憫に思ってか、追加の種を送って下さったのでした。今からでも間に合うとのこと、早速枯れてしまったプランターにえんどう豆の種を撒くことに。えんどう豆は連作できないと何かに書いてあったので、念のため新しい土と入れ替え、市販の肥料や今日の給食で使った卵の殻を手で崩しながら混ぜ、ちょっと栄養のある土にしてえんどう豆を6粒植えました。枯れてしまったえんどう豆がまた出てきたとビックリさせようと子ども達には秘密です。最近また急に寒さが戻ってきましたが、もう暦の上では春。プランターも外に置いて育てることにしました。
 送って頂いた豆は38粒!まだまだ色んなところに植えようと園庭に出てみると雨が降ってきてしまい、来週に持越しです。


 年度末と言うことで日の光を浴びることなく仕事に勤しんでいましたが、自然は春の気配を敏感にキャッチ☆していたようです。エンドウの花が咲きました!
 一日分ですが、感動の(!)生長日記をお届けします。

3月29日(月)
 三寒四温とはよく言ったもので、いよいよ春かと思いきや急に冷え込んだりの繰り返しです。それでも確実に春めいてきており、昨日のお昼頃にはまだ3分咲きくらいの桜の下でたくさんの花見客が溢れていましたが、昨日今日の暖かさで一気に6分咲き位まで花開きました。
 そんな中、当保育園にも春がやってきました。ツタンカーメンのえんどう豆に待望の花が咲きました!話に違わない、いえそれ以上に綺麗なピンク色の花を華麗につけました。生長が危ぶまれたプランターのえんどう豆で、花をつけた現在もかなり不安定な状態ですが、見事な生命力です。つぼみの段階で気づかなかったので「急に咲いたね!」と子ども達も大喜びです。「ピンクかと、可愛かねぇ」とみんながうっとりと見つめる中、思わず伸びる子どもの手を慌てて職員が止めながら「お豆の出来るけん、お花取らんで、もうちょっと咲かせとこうね。」と花より団子な面々です(^_^;)。
 露地植えのえんどう豆は葉もつるも大きく元気に成長していますが、支柱の竹が太すぎるのか、なかなか巻きつかずお互いに絡み合ってしまいます。それでも日に日に生長していく様子が分かるほどぐんぐん伸びるようになってきました。
 いよいよ春・4月、進級の時期を迎えます。


 先週末にこいのぼりを揚げました。去年寄付して頂いたものもあり、今年は17匹のこいのぼりが園庭を賑わせています。
 先週末は市内のスーパーで児童が刃物で刺されるという悲しい事件がありました。子ども達が事件や事故に巻き込まれず元気に成長してくれますように。桃の節句や花祭り、端午の節句と行事の度に子ども達の健やかな成長を願わずにはいられません。

4月5日(月)
 先週の第一号開花を経て、「これからどんどん咲くけんね〜」と子ども達に宣言したのに、あれからつぼみがつきません。子ども達は慰めてくれているのか「お豆、大っきゅうなったねぇ。」と実の方に興味を移していますが、つぼみを見逃していたのでどうしても見つけたくて、毎朝観察に行くのですがなかなか見つかりません。しかも先日開花した第一号が、なんと第二号だったことが判明。現在出来ている実が正真正銘の第一号だったのです。ま、子ども達が言うとおり『第一号』の実は日に日に大きくなってきていて、最初の頃は「ピーピー豆のごたるね」と言われていたのに、最近は独特の赤紫色の実が他の葉よりも大きくパッと目立って子ども達には観察しやすいようです。露地植えのえんどう豆はこの一週間で20〜30pも大きくなりましたが、こちらもつぼみは見当たりません。随分伸びたとはいえ、背丈が1m程度では開花はまだ先のことなんでしょうか。サクラは散り始めましたが、春の花がたくさん咲き誇り、なかなか咲かないえんどう豆は人気を奪われ気味です。

4月8日(木)
 3つ目の花が咲きました。昨日観察した時はつぼみはなかったのに・・・ともう一度じっくり観察してみると、今朝咲いた花の隣になにやら紫色の葉のようなガクが。これがつぼみだったんですね!つぼみの色や形状を知らなかったばかりに、いくら観察してもつぼみを見つけられずにいたのです。子ども達に「これがつぼみよ。今度お花の咲くけんね。」と言っても「それ葉っぱたい。葉っぱはお花にならんとよ。」と言われてしまいました。「じゃあ明日見に来ようね。」とつぼみに目印のリボンをくくりつけました。明日、咲いてくれるといいな。

4月9日(金)
 昨日のつぼみを朝一番に見に行くと、ピンクの可愛いお花が咲いています。やった〜!子ども達を連れて来なくちゃ!と喜んだのも束の間、それは昨日開花していた花で、つぼみはまだ硬く閉じたままです。そう簡単に可愛い花は見せてくれないようです。しかし『第二号』がいよいよ豆になり始めていて、緑色のめしべが少し紫色がかってきているのを観察することが出来ました。
 ところで、露地植えのえんどう豆をじっくり目をさらにして観察すると、葉っぱが出ているところから花芽のようなものが出ているのを発見!これは本当に花芽でしょうか?同じところから2個ずつ、コロンとすずらんの花のようなものが数箇所出ていました。これがつぼみになるのなら絶対見逃さないぞ〜。やっぱりプランターのものより大きく生長しているので観察しやすいのかもしれません。
 お花はまだ咲いていなかったけれど、嬉しい発見に期待は膨らむばかりです。

4月12日(月)(12月10日より約4ヶ月)
 毎朝えんどう豆を見に行っている私の様子を子ども達は良く知っているようで、今朝も「おはよう!」と子ども達に挨拶をしながら裏口の戸を開けると「お豆!お豆!」と子ども達が集まってきました。「もう咲いたかねぇ?」と訊きながら外に出てみると露地植えしたえんどう豆にお花がついています。「咲いたよ咲いた!靴履いておいで。」と子ども達を呼ぶと靴箱へ飛んで行ってトントンと靴を履きながら出てきました。「ちゃんと履いて来んば転ぶよ。」と言いつつも楽しみにしていた子ども達を怒るわけにもいかず手を引いてえんどう豆の元へ。子ども達は口々に「おっきかぁ(大きいね)〜」「いっぱいねぇ」。そうです。今回は一度にたくさんの花が咲きました。「いくつ咲いた?」と訊くと「イッチ、ニー、サン、シー、ゴー!」と言うので葉に隠れていたお花を見せて「ロク?」と言うと「ロック!!」と声を揃えて答え、また最初に数えた花を指差しながら「シッチ、ハッチ…」。「それはさっき数えたたい。」と慌てて答えたけれど勢いは止まらず「キュー、ジューッ!」の大合唱。まだ10までしか数え方が分からないので、1から始まります。何度も繰り返し数えながらつぼみを見つけては数を増やしていき、開花が6輪、つぼみが4輪で、やっぱり10輪ということになりました(^_^;)。
 背丈も120cmとプランターのものの約2倍と大きく成長し、子ども達の背を抜きました。つると言うか茎の部分も太くがっしりしており支柱の竹に巻きつかず一直線に天に向かって伸びています。時々お互いが絡み合うので、ヒモで支柱にくくりつけています。
 プランターのものも小さいながらもさやの中には2粒の豆が確認できます。子ども達は触って「お豆、硬かよ。」と心配そう。「植えた時も硬かったたい。ご飯に入れたら柔らかくなるけんね。」と言うとちょっと安心したようでした。えんどう豆も楽しみだけど、この可愛らしいピンクのお花をずっと見ていたいものです。


 ツタンカーメンのえんどう豆は子ども達と一緒に収穫し、お豆ご飯として食べることが出来ました。なかなか芽を出さなかったり、霜や雪にあったりとハラハラしましたが、無事ここまで育てることが出来ました。ありがとうございました。種が上手く出来たら来年もまた植えようと楽しみにしています。

4月14日(水)
 今朝は何と17輪もの花が咲き、遠目にも可愛らしいピンクの花が満開です。「ねぇ、ホントにお豆なると?」と半信半疑の子ども達にプランターの花がえんどう豆になっていく様子を見せ「給食の時に美味しいば食べようね」と誘うと「食べる食べるッ!」と普段は豆嫌いな子まで嬉しそうです。自分達で育てると嫌いだったものも美味しく食べられるんですよね。毎年プチトマトが赤くなるのを虎視眈々と狙っている子ども達。みんなで収穫しようね、と言っておいても待てなくて、素早くもぎ取ってパクッ!と食べちゃうんです。えんどう豆はそのまま食べられないから、いつの間にかなくなっちゃった!ということはないかな(^_^)?

4月20日(火)
 露地植えのえんどう豆は今までの成長の遅れを取り戻すかのようにぐんぐん伸びて180cm、わずか一週間というあっという間に私の背を越し、毎日たくさんの花をつけています。早いものは赤紫色のさやの中に豆を育むようになりました。初めは給食に出せるかなぁ?と心配していましたが、これだけたくさんの花が豆になるのなら大丈夫のようです。ホッ。プランター植えのえんどう豆は力尽きたのか、あれから花が付きません。さやの中も一粒だけが何とか成長している模様。しかし一番最初に咲いたものなので可愛さはひとしお。初孫が可愛いのと同じ心境でしょうか(^_^;)。
 九州は連日23℃前後、随分暖かくなり、遅れていたポピーもようやく咲きました。そろそろアサガオやひまわりの種を植えようかな。去年収穫したヘチマも今年はお花の邪魔をしない場所に植えなくちゃ。ミニ菜園の苗も買ってこなきゃ。
忙しくも楽しい日々がやってきます。

5月12日(水)
 いよいよえんどう豆の収穫です。緑色の葉っぱの中に紫色の丸々と太ったさやが輝いています。子ども達は「エイッ」と掛け声と同時に引っ張って一つずつ収穫しています。丸々したえんどう豆は子ども達には大きくて両手で引っ張らないと取れません。それでも真剣に引っ張って「上手に取れたよ!」と宝物のように見せてくれます。プランター植えのえんどう豆は私がこっそり収穫。中は一粒だったけど、大切な「初豆」。これもみんなで一緒に食べようね。
 次は部屋に持って帰ってさや剥きです。一つずつ爪で少し開けてから渡すと自分でパリッと開けて中の豆を一粒ずつ取り出しては箱の中へ。米粒のように小さい豆も見逃さずにしっかり箱の中へ(^_^;)。一生懸命剥いているうちに、そのまま口の中へ…「まだ食べられんとよ!」と言われてハッと我に返って再び真剣に剥き始めます。コロッと一粒でも落としたら他はお構いなくお友達のポケットまで探ってみたり。でもみんなでしたらあっという間にさやからたくさんの豆が出てきました。計ってみると120グラム。お店で少し売ってあるのもこのくらいよね〜と言いながら、給食の先生へ渡しに行くと「剥いてくれたと?助かった〜!」。子ども達も得意げです。
 こうやって大事に大事に取り出されたえんどう豆は、今度の給食でお豆ご飯として登場することになりました。楽しみです。

5月14日(金)
 今日の給食は「ツタンカーメンのえんどう豆ご飯」です。わくわくして炊き上がったご飯を覗いてみると・・・そう言われればちょっと色づいてるかな・・・。普通の豆ご飯はお豆の周りは黄色っぽいけど、ツタンカーメンのえんどう豆の周りはちょっと赤茶色っぽいかも。さくっと混ぜると分からない程度だけど・・・(´-`;)。でも当初は子ども達全員に豆が行き渡らないと困るので豆だけ別で調理しようと言っていたけれど、大収穫(?)のおかげでご飯に混ぜて配ることが出来ました♪「みんなおいしか?」と訊くと「おいしかー!」と声を合わせて満足げ。「ぼくが取った豆やろ?」「ちがうよ。みんなで取ったたい。」「でもぼくも取ったもん。」「私もパカって開けたとよ。」と収穫の喜びを口にし、いつもよりご飯が美味しいようでした。
 まだ収穫できなかった豆は種用として残し、一度きりの「ツタンカーメンのえんどう豆ご飯」を、子ども達はよく味わって堪能したのでした。


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