産業技術遺産探訪 2008.10.12.

旧 眞崎鉛筆製造所 跡
鉛筆の碑

東京都新宿区内藤町1 多武峯内藤神社 内藤児童遊園内

 多武峯(とうのみね)内藤神社の西側(当時、東京市四谷区内藤新宿1番地)は、1887(明治20)年に佐賀藩(巨勢村高尾)出身の眞崎仁六(まさき にろく 1848(嘉永元)年生まれ)が眞崎鉛筆製造所(現在の三菱鉛筆株式会社 明治36年に「三菱鉛筆」の商標登録)を興し、鉛筆の製造を始めたところです(日本初の鉛筆の工業生産に成功)。眞崎仁六は、日本起立商工会社の社員として製品を出品するために1878(明治11)年にパリで開催された万国博覧会へ派遣された際、この万国博覧会で出品されていた鉛筆を見たことが鉛筆の工業生産を始めるきっかけとなりました。1916(大正5)年に東京都品川区東大井に移転するまで、ここで鉛筆製造を行っていました。創業時は玉川上水の分水であり、現在は暗渠となっている渋谷川を利用した水車を動力にして鉛筆が造られていました。「鉛筆の碑」は、創業120年を記念し、2006(平成18)年10月に三菱鉛筆が創業の地に建立したものです。 

旧 眞崎鉛筆製造所 跡(三菱鉛筆株式会社)

この地(多武峯(とうのみね)内藤神社西方付近)は、明治二十年(1887年)に佐賀藩出身の眞崎仁六(まさきにろく)が眞崎鉛筆製造所(現・三菱鉛筆株式会社)を興し、鉛筆の製造を始めたところです。三十年後の大正五年(1916年)に品川区東大井に移転するまで、ここで鉛筆製造を行っていました。
創業時は玉川上水の分水であり、現在は暗渠となっている渋谷川を利用した水車を動力にして、ここで鉛筆が造られていました。
平成十八年十月

寄贈 三菱鉛筆株式会社
資料提供 新宿区教育委員会

三菱鉛筆博物館(三菱鉛筆株式会社)

えんぴつ大好き(日本鉛筆工業協同組合)
鉛筆の歴史、工場見学、鉛筆のJIS(日本工業規格)、鉛筆ミュージアム、ほか


三菱鉛筆 創業100年記念 「復刻鉛筆」

明治二十年、我が国鉛筆工業の始祖 眞崎仁六 氏によって創設された三菱鉛筆が、
幾多研鑽の末に国産鉛筆として初めて日本政府に採用された鉛筆であります。
以来、局用鉛筆の名で諸官庁、会社の事務に広く用ひられて居ります。

第一号・・・3B
第二号・・・B
第三号・・・2H

三菱鉛筆株式會社

三菱鉛筆 「ユニ」発売50周年記念 「Hi-uni Art Set 22DEGREES

 従来の鉛筆の硬度は、9H〜6Bが生産され製品となっていましたが、三菱鉛筆(株)の高級鉛筆「uni(ユニ)」発売50周年を記念して、新たに「10H」「7B」「8B」「9B」「10B」の5つの硬度を追加して「世界最多の硬度幅」を達成した「ハイ ユニ アートセット」
 筆記だけでなく鉛筆画のための需要を見込んだ製品
 鉛筆の芯は、三菱鉛筆(株)群馬工場(群馬県藤岡市立石)で生産


NO.9000三菱特許製図鉛筆

芯に含まれる化合物(特許)が光線を遮断するはたらきが強く、鉛筆を使った製図でも、そのまま青写真をとることが出来る画期的な製品(発売当時)


硬筆書写用鉛筆 8B」と「筆鉛筆 10B


「筆鉛筆 10B 国内初」

左から「HB」「8B」「10B」

 かつて3年間小学校で勤務していたとき、埼玉県の小学校では「10B」鉛筆を使っていると知り、当時は埼玉県のみで販売されていた「10B」鉛筆を取り寄せ、担任していた小学校4年生の児童に配り、使ってもらいました。どの子もみんな珍しがって、字を楽しみながら書いていました(^-^*)
 小学校4年生くらいになると、シャープペンシル(メカニカル・ペンシル)を使いたがるようになるものですが、鉛筆でしっかり字を書いて欲しいという気持ちでした。
 鉛筆削りも練習をして、「肥後守」や「カッターナイフ」で削るようになりました!


 中学校 技術科の学習で、日本工業規格(JIS)や国際標準化機構(ISO)を学習する際に、かつては鉛筆に表示されていた「JIS」を取り上げていましたが、現在は、鉛筆の工業生産も水準が向上し、品質に問題が無くなったために「JIS」表示がなくなりました。鉛筆の長さについても自由になり、小学校1年生の小さな手にも合うように「ippo!(イッポ)」(トンボ鉛筆)などの製品も登場しています。トンボ鉛筆の広告には「バットやお箸にはあるのに、なぜ鉛筆には子ども用がなかったのだろう」・・・このコピーを見たときに、思わず涙が出そうになりました(^^) 考えてみれば「箸(はし)」だって手の大きさに合わせて女性用と男性用で長さが違いますし、子ども用だってありますよね・・・飯田賢一先生(技術史)は、この「箸(はし)」の長さに対する配慮を、優れた技術の視点であると強調されていました。


大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2012
The Echigo-Tsumari Art Triennial 2012
まつだい「農舞台」フィールドミュージアムでは、「鉛筆」のアート作品が展示されていました。


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