本物で技術を語ろう!【機械】


1.4サイクルエンジン(自動車用)

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 「三菱V8 2500cc DOHC 24バルブ」エンジンです。分解組立可能(サービスマニュアルも分解・組立に必要な部分をいただきました)で、台車に乗せてあるので移動も簡単にできます。この「三菱V6 DOHC 2500cc」エンジン、「トランスミッション(軽自動車用)」「軽自動車」は、群馬三菱自動車(株)のサービス部長をされている、本校卒業生の上原さんの寄贈によるものです。
 「中学生のとき、技術科の授業でエンジンの学習をしたことが、私がエンジニアの道を歩むきっかけになったのですよ。」
 若き日、青年海外協力隊で派遣されたアフリカで、サファリ・ラリーを目の前で見たこと、エンジニアとしての仕事についてなど、たくさんのことを目を輝かせて話してくれました。上原さんには特別授業もしていただきました。そう言えば、「光岡自動車(富山県婦中町にある日本で10番目の自動車メーカー。最近、キット式の自動車を売り出しましたね)」の光岡進氏もNHK教育の中高生向けの番組(「21世紀の君たちへ・・・・失敗は夢にむかう実験だ」スクール五輪の書〜生き方の巻)の中で、 「中学生のとき、先生が模型クラブをつくってくれたことがきっかけなんです。」
と言ってました。小さい頃、模型飛行機をつくりながら、より速く、より高く飛ばそうと工夫を凝らすなかで、ものをつくるおもしろさに目覚めます。あまりの熱中ぶりに中学校では担任の先生が高価なエンジン付き飛行機を手に入れ模型クラブをつくってくれました。 そんなわけで、今年は模型クラブをつくって、生徒と一緒に楽しんでいます。

 

2.トランスミッション(自動車用)

kika18.jpg (7494 バイト) 軽自動車のトランスミッションです。実物を目の前にすると、図や写真からでは伝わって来にくい歯車の組み合わせの工夫に驚きます。また、機械の美しさにも、思わず声を出してしまう生徒が毎年必ずいます。技術室のすぐ外にある教材用軽自動車(一見すると少しオンボロですが、動きます)に、こんなにしっかりした部品が組み込まれていることに感動している生徒もいて、やはり実物のインパクトは大したものだと思います。

 教材用としての軽自動車は、初めは動く実物のエンジンというわけでしたが、台座等の製作に費用がかかるため、自動車(サービスマニュアル付き)ごと持ってきていただきました。


3.ロータリーエンジン(ヴァンケル・ロータリーエンジン)

kika19.jpg (5624 バイト) 「マツダ 13B−REW」エンジンです。分解組立可能です。マツダアンフィニ群馬サービスエンジニア堀込さんの好意で入手できました。図や写真からではわかりにくいロータリーエンジンを知ることができます。やはり実物を目前にすると生徒たちの目も輝きます。ロータリーエンジンの学習では、ロータリーエンジン開発から1991年ル・マン優勝(マツダ787B)までを扱ったビデオも視聴させています。世界で唯一、マツダ(株)によって量産と改良(ヤンマーディーゼルや鈴木自動車の貢献も欠かせません)が続けられてきたバンケル型ロータリーピストン・エンジンについては次の文献が参考となります。


参考資料

 

4.「マツダ 13B−REW」エンジンの「ローター」「ハウジング」「エキセントリックシャフト」

kika20.jpg (8400 バイト) 「ローター」「ハウジング」「エキセントリックシャフト」の複雑な形状と高度な加工技術に驚きます。生徒はほんとうに良く触ってくれて、感謝しています?


5.「マツダ 13B−REW」エンジンのキャブレター

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6.「マツダ 13B−REW」エンジンのサービスマニュアル

kika22.jpg (6011 バイト) 教材研究に参考にして下さいと、マツダアンフィニ群馬サービスエンジニアの皆さんからいただいたものです。さすがに図がしっかりしていて構造がよくわかります。分解や組立には必ず必要です。


 

7.Revell社製(米国)「V8 OHV 16バルブ」エンジン模型

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 大きなスケルトンモデルで、バルブ機構やシリンダー配列など、視覚的に理解できるます。ピストン、バルブ、プッシュロッド、ロッカーアームなどを工夫して着色しておくと、立派な学習用の模型になります。「HOW AN AUTO ENGINEWORKS」というテキストが付いています。このエンジンに限らず、Revell社のエンジン模型は、解説がしっかり付いていて感心させられます。
 このエンジン模型について初めて知ったのは、書店で立ち読みしていた雑誌からです。自動車等のレストア専門誌「Old−timer」1992年12月号に「親子でV8エンジンを組み立てよう $50で楽しめる父と子の教育的オモチャ レベル製ビジブルV8エンジン」(同誌pp.152〜155)という特集がありました。しかし、輸入しないと入手困難らしいのです。そんなわけで「おもしろい模型があるものだなあ」くらいにしか思わなかったのですが、同誌の1993年1月号に入手方法を教えてほしいという問い合わせが多かったらしく、そのことが記事になっていました(1993年1月号p.117)。記事には「昨年で生産中止、米国でも特殊な模型であり、日本国内でも在庫は無いと考えられる。米国の自動車再生用工具通信販売会社に問い合わせてみる必要があるでしょう」とのことでした。比較的安価で教具にもなるのだが・・・・と考えつつも諦めていました。
 教具になりそうな?エンジンの模型については、(有)テックスランドから「1973年型 ポルシェ911カレラS2.7 911/83型エンジン(スケール1/8)」を他の雑誌の記事で知っていましたし、日本工業大学工業技術博物館(埼玉県宮代町)での企画展で圧縮空気で動く実物を見ました。ただし10万円もします。教具にするのには少し無理です・・・(米国)コンレイ社製1/4スケールのV型8気筒SVエンジンというのもあります。これは実際のエンジンと同じガソリンを燃料としてオイルパンにはオイルを入れて動かすというもので価格928000円!・・・・絶対無理
 諦めていたところ学生時代の友人(小林豊君)から、東京・恵比寿駅前の「ミスター・クラフト」という模型専門店にRevell社製(米国)「V8 OHV 16バルブ」エンジン模型があるという連絡を受けました。その後Revell社製
(米国)「直4 SOHC ターボ」エンジン模型やRevell社製(米国)「MAZDA Rotary Engine」(スケール1/5)も見かけるようになりました。ただし、)「MAZDA Rotary Engine」を除いては電動ではなく手動になっていました。現在入手可能かどうかは不明です。
 そんな物語?のある教具です。 

 

8.Revell社製(米国)「直4 SOHC ターボ」エンジン模型

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 「V8 OHV 16バルブ」エンジン模型と比較しながら、バルブ機構やエンジンそのものの構造を視覚的に理解させるのに効果的に活用できます。この他にも、Revell社製(米国)「MAZDA Rotary Engine」(スケール1/5、キットナンバー11201)があります。このエンジンは交通博物館(東京)に展示されているマツダ10A型(1966年 東洋工業製)と同じものです。これまではこの写真を拡大して学習に使っていましたが、この模型(製作中)も今後が授業に使いたいと計画しています。この「MAZDA RotaryEngine」(Revell社製)はモータで駆動し、点火プラグが点灯します。ただ、外国製のプラモデルは精度が悪く(日本製が優れているというべきか?)製作がたいへんです!この模型の解説書には、いかにロータリーエンジン(wankelengine)が小型かということを6気筒や8気筒エンジンと比較されていたり、部品点数の比較写真が掲載されています。また、4サイクルエンジンとの行程の比較も図解されています。

 

9.グローエンジン(10GP・21GP)

kika27.jpg (8539 バイト) 内燃機関の学習に使っています。21GPの方は国際競技会用のエンジンだけに、迫力のある音です。ホンダ G100 4サイクルガソリンエンジン・キットがそろわない時期に教具として使っていました。現在は多少見せ物的に使っていますが、メカニズムやエンジンについて良い教具になります。


10.ホンダ G100 4サイクルガソリンエンジン・キット

kika28.jpg (8936 バイト) 4〜5人に1台で実験・実習に使っています。パッキン類、ピン、バネ、ねじ、ピストンリング、オイルリングなどを補充用としてストックしておくと安心して実習に取り組ませることができます。それにしても良く動くエンジンです。


 

11.各種内燃機関

kika29.jpg (9822 バイト) 手前がオートバイ用の2サイクルおよび4サイクルエンジンで、奥が石油エンジン(2台のうち1台がカットモデル)です。外に見える軽自動車(動きます)も教具です。七輪は昨年の「たたら製鉄」炉です。


12.原油・灯油・ガソリン・軽油・重油・潤滑油・パラフィン・アスファルト標本

kika30.jpg (8434 バイト) 原油は新潟県新津市金津油田でいただいてきましたが、平成8年3月に稼働を休止してしまいました。金津油田は現在「石油文化遺産公園」として整備中です。原油をもらいに訪問していた頃の金津油田は、トランス用絶縁油もしくは機械潤滑油の原料として操業を続けていました。機械堀り3号井をはじめとした石油井戸25基の規則正しい鼓動にも似た動き、そして全国でも珍しいポンピングパワー(シーソーの原理を使って石油を汲み上げる施設)の迫力ある動きが止まってしまったのは残念です。

 

 新津油田のページは http://www.city.niitsu.niigata.jp/mgr/railoil/oil/yuden/yuden.html


13.大気圧機関実験装置

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 ニューコメン機関(大気圧機関)とワットの蒸気機関(復水器)の原理を学習する実験装置です。

14.スチームエンジン(外燃機関)実験・実習用教具

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15.「カム線図」「カム・プロフィール」学習用教具

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 アクリル板でできている方は、OHPでも使えるようになっています。

 

16.歯車比学習用教具(ミニ四駆)

kika35.jpg (7720 バイト) ミニ四駆の歯車比を「2.14:1」「3.55:1」「4.03:1」「5:1」に改造して、歯車比の学習に使えるようにしました。今の中学生は小学生時代にミニ四駆ブームを経験してきています。だからけっこう引かれるモノがあるらしく、
生き生きした授業にはもってこいです。女の子も男の子があんなに騒いだミニ四駆って何だろうと、興味を示しますよ。コース状況に応じて歯車を変えるというノウハウ?は知っているようですが、歯車比がかかわっていたのかと、妙に納得する生徒の姿は、見ていておかしいものです。歯車比田宮模型(株)のミニ四駆にはオプションで、他のメーカーから歯車比を変える部品が発売(生徒からの情報です)されています。最近「ラジ・カン」(太陽工業 発売)という歯車比を変更できる(しかもギアボックスが透明)ラジコンのミニカーがあるということを生徒に聞いて、さっそく購入(2000〜3000円)・・・・教具になる予定です!


投稿者:群馬県碓氷郡松井田町立南中学校 大木利治

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