アルミ・ボトル缶でつくる簡易ボイラーと大気圧実験

更新日:2000年9月21日


 最近よく目にするようになった450mlのアルミ・ボトル缶を使った、蒸気機関用の簡易ボイラーと大気圧機関(ニューコメン機関)やワットの蒸気機関の学習で行う大気圧実験を紹介します。

アルミ・ボトル缶でつくる簡易ボイラー

 アルミ・ボトル缶を使うとコンパクトな蒸気機関用の簡易ボイラーをつくることができます。ボトル缶に耐熱塗料で塗装しておくと耐熱性が向上します。

 安全弁は市販されている蒸気機関模型のものを流用します。蒸気管は3mmの銅パイプにM3のねじをダイスでつくります。(ねじの加工は精密になります。やわらかい材料の銅ですが、ダイスを戻しながら慎重に行って下さい。)

 

  アルミキャップに取り付ける、安全弁と蒸気管のための穴あけは、キャップの内側のパッキンがついたままの状態で開けた方がバリができにくいと思います。穴が開けられたら、けがき針などを使ってパッキンを取り除きます。(キャップはねじ式になっているため、パッキンは無くても実用上支障ありません。)

  アルミキャップに取り付けた蒸気管と安全弁。
 

 大きなアルミ・ボトル缶はキャップも大きいので、安全弁の部品を写真のように加工して銅パイプをはんだづけして、ねじでアルミ
キャップに固定すると、しっかりした蒸気管の取り付けができます。アルミキャップへ銅パイプを直接はんだづけするのは非常に困難です。
 



アルミ・ボトル缶で行う大気圧実験

 大気圧機関(ニューコメン機関)や初期のワットの蒸気機関の原理を学習するときに行う大気圧の実験では、水と蒸気の体積が1700倍以上になることや、大気圧が1平方センチメートルあたり約1kgfあることを体感してもらうためアルミ・ボトル缶を使うとキャップ付きで手軽に行うことができます。ボトル缶に水を少し入れてキャップを外したまま加熱します。ボトル缶を加熱するときは直接火に当てずに、写真のように間接的に加熱するようにした方が、ボトル缶の塗料が燃えずに済みます。ボトル缶の口から湯気がたくさん出てきたら、キャップをしてからボトル缶を水で冷却します。実験で使い終わったアルミ缶はリサイクルへ!
  

 これまでキャップの無かったアルミ缶による実験に比べてかなり手軽で簡単になりました。でも、一斗缶やドラム缶のダイナミックさも捨てがたいですね。


群馬県碓氷郡松井田町立西中学校 大木 利治

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