工業のおもしろ数学
 2003/03/14


1)半径で円の面積?
 みなさんは円の公式を言えますか?普通科では「πr^2です」とすぐ答えるでしょう。
しかし、工業科では「(πd^2)/4です(四分のパイディーの2乗)」と答えます。
これは、実際に棒の面積を計算するときにすぐ判るはずです。
棒の半径など上手く測れないので、棒の直径を測るはずです。
よって、直径で公式を覚えておくほうが便利です。
π(d/2)^2を計算すると、(πd^2)/4となります。
よって現実に沿って工業科ではこの公式を教えます。


2)鋼球で内径を測る
 筒などの内径を測定するのに定規などでは誤差が大きくて実用になりません。
そこで、点接触になる鋼球を使います。鋼球の直径と入れたときの
鋼球の高さを測ると内径が計算できるのです。
各部が点接触になるので誤差が少なくなります。
鋼球の半径rが同じ鋼球を用います。
 △abcを考える
・辺abは2rである。
・辺acはh−2rである。
・よって辺bc=√((2r)^2−(h−2r)^2)
・内径d=辺bc+2r
    =√((2r)^2−(h−2r)^2)+2r
  鋼球で内径を正確に測れるのです。

3)サインバーで角度を測る

みなさんは図のよな物の角度を測るのに分度器を使用しますよね。
でも誤差が大っくてそれでは工業では通用しません。
そこでサインバーが使用されます。
サインバーとは写真のようなただの棒ですが、長さLを正確に作ってあります。
これが角度を測るための測定器になるのです。
傾斜のある物をサインバーの上に載せて、ブロックにて高くしていき、
平行になったときの高さを測定することにより、工業では角度を求めます。
分度器など使わないのです。

△abcにおいて、
辺abは長さLで、辺acは高さhなので
sinθ=h/Lである。
よってθ=アークsin(h/L)となります。
ただの棒がサインバーに変身する公式である。










投稿者:愛知県刈谷工業高校 児島高徳

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