売り込む棚づくり
〜ものづくりの流れを中心にして〜

1999/06/27更新


はじめに

以下の点が、授業の背景にありました。
@ 作品をなぜ丈夫に作るのか、なぜきれいに作るのかという必要性を、生徒自身の中に位置付けたかった。
A 文章の型にはまがちな作文レポートから、抜け出したかった。他の表現方法はないかと考えた。
B 人に役に立つものをつくるという視点を入れたい。
C 授業に父母が登場する場をつくり、ご家庭での親子の対話のきっかけを作りたかった。

全体の流れ

 ものづくりの流れを大切にして、木材加工に取り組みました。板材と角材を使った「棚」の製作です。さらに作った棚の売り込みも行いました。まず、ご家庭の誰かを「お客さん」に見たてて、「どのようなデザインにしたら使えるか」「大きさは?」の市場調査を行いました。よりつかってもらえる製品に近づけるために、「この品と、この品、何を基準に買いますか?」の商品の基準をみんなで確認しました。また、その基準を製作の目標として位置付けました。製品が完成した後、広告をつくりました。家で(お客さんに)商品の良さを理解した上で使ってもらえるよう「売り込み」をしました。そのための練習を、教室で「製品発表会」として行いました。父母の感想(お客さん)からは、一応に「よくやったね」という声が聞けました。その誉められた親の言葉を、生徒たちは読み、考察しました。

商品について

 生産の流れをプリント資料にして確認しました。企画部では、「どのような商品がうれるか」を調査し、新商品のコンセプトを決めます。試作部では、そのコンセプトを大切にしながら、材料の強度、生産工程を考慮し、試作・テストする。目標値に達した試作品の設計図は「生産部」にまわされ、製品になる。販売部では、在庫の管理をしつつ販売促進する。顧客の声を企画部へまわす。

良い商品って何?

 「みんなはお店で何かしら一つのものを選んで買ってくる。その基準は何か?」

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意識調査

ご家族の声:

声を聞いた生徒の感想:

製作 

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広告

 「先生,色つけてええの?」。十分できているようにみえても「まだできてえへんし、明日提出でもええ?」と、各々こだわりがある。苦労した点、製品の持つ良さ、生徒のジョークが入っている。

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発表会

 はじけとんだ。バナナの叩き売り風の売り込み、静かに淡々とした売り込み。「この芸術的なセンスをおわかりいただけるのではないでしょうか」。ジョークあり、笑いありの発表会。発表者の後ろに並んでいる生徒から「頑張れ、」「角、角、角」と励ましの声援あり。発表が終わり「よし、よくやった」というと、並んでいるクラスメイトから拍手をうけるたのしいひととき。

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「よくがんばったね」

ご家庭の声:

生徒たちの考察:


同志社中学校 沼田和也

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