封入樹脂でトロフィー
2003年11月5日

 校内ロボットコンテストで、優勝チームに賞状だけでは寂しいので、何か一緒に渡せるものはないかと考え、トロフィーを作ってみました。
もともとは、3年の授業で行っている低融合金の鋳造によるキーホルダーの製作で、作品を封入するのに封入樹脂を使っていましたが、それを利用して透明なトロフィーにしました。この他にもロボット大賞に鉄腕アトムの人形を封入したトロフィーを作成しました。

 初めて生徒に見せたときの歓声と、受賞したチームが受け取ったときのうれしそうな顔を見たときには、苦労して作った甲斐があったと思いました。

基本編(優勝用トロフィー)

これが、今回使用した封入樹脂です。
トップマンのカタログの、金属加工のところに載っていました。
1kg入りで2500円(税別)です。
左側にある小さい容器に硬化剤が入っていて、これを混ぜることで固まります。
混ぜる割合が100:1となっていて、固まるときに少し熱が出ますが、硬化剤の量を多く入れすぎると、かなり高い熱を発し危険な状態になります。
また、毒性があるので生徒に扱わせるのは危険かと思います。
まず、容器に前面になる分の樹脂を入れます。(写真ではわかりにくいかもしれませんが、容器の底が少し厚く見える部分に樹脂が入っています)
使用した容器は、電子レンジ対応のタッパーで、100円ショップで2個1組で売っていました。大きさは19×8×6cmほどです。
耐熱プラスチックの容器だと、固まった後きれいに取り出すことができます。
気温や天候などにもよりますが、早ければ2時間ほどで固まってきます。
(容器を傾けて流れなければ、第1段階の完了です)
樹脂がある程度固まったら、中に封入するものを乗せます。
今回は、生徒が胸につけている校章バッジと、光沢紙に優勝などの文字を印刷したものを入れました。
このときに気をつけることは、下の固まっている樹脂と封入するものとの間に空気が入らないようにすることです。中に気泡が残ると少し見映えが悪くなってしまいます。
封入するものを入れたら、全体が隠れるくらいまで樹脂を流し込みます。
今回はトロフィーの上側と下側で厚みに差をつけるために、容器を少し傾けておきました。
全体が完全に固まるまでほぼ1日ほどかかります。
完全に固まったら、容器から取り出します。
耐熱プラスチックの容器だと、容器と接していた面は磨く必要がないくらいきれいに取り出せます。
ふちの部分にバリがあったり空気と触れていた面が波を打っていたりするので、そこは削ったり磨いたりする必要があります。
次に、土台となる部分を作成します。
適当な大きさの容器(今回もタッパーを使用)に、トロフィーの上の部分が落ちないように途中で支えておきながら、封入樹脂を流し込みます。
支え方は、樹脂の表面に傷が付かないように布で巻き、木っ端を輪ゴムで巻いて、タッパーのふちに乗っけてあります。
樹脂が固まるまでにかなり時間があるので、その間に上部分の位置や傾きなどを微調整することができます。
土台部分が固まって、容器から取り出したところです。
この後、土台部分に傾斜をつけるために少し削りました。
削るのに使ったのはベルトサンダーで、少し使い込んだようなベルトでやったら結構きれいにできました。
最後に耐水ペーパー・研磨剤で仕上げをし、上の写真のようになりました。

 せっかくこのページを作ったので、おまけとして3年生が授業で作っている作品の写真を載せておきます。
中身は、Yamazakiの「低融合金簡単鋳造キット」を使って作っていますが、合金の「強度を増す」「酸化を防ぐ」という目的から樹脂で封入しています。
タッパーだけでなくプリンやゼリーなどの容器でも簡単に封入できるため、薄く作ってキーホルダーにしたり厚みをつけてペーパーウェイトにしたりしています。

   


 投稿者  長野市立柳町中学校 原正人 

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