「引っ張り」を体感!〜人間フォース橋〜
99/12/26


概要と目的

 大きなトラス構造でできているフォース橋(イギリス)を、ロープと木材と人間の体で表現しました。体で表現することによって、構造物の「引っ張り」を体で感じることを目的とした取り組みです。

方法

 図のように、「圧縮」の力がかかる部材は木材を使い、椅子にはめ込みます。
 
 2人の人間が、橋の構造に組み込まれ、中央の1人が、重りになります。支えている2人の腕には「引っ張り」の力がかかり、二人の胴体や脚には「圧縮」の力がかかります。

  

様子
 「僕の独断と偏見で選んだ3人にご協力を願います。
 「ゆっくりと座ってください」「はい、ストップ!」
 「今のこの二人の顔つきをみてください。どんな力がかかっているでしょうか。この腕は、引っ張られまいとして一生懸命耐えています。…」
 
 「フォース鉄道橋も平然と建っていますが、実はこんな風に常にがんばり続けているのですね。」

ちなみに フォース鉄道橋とは
 スコットランドのフォース河口をまたぎ、“鋼の恐竜”といわれるているトラス橋です。1890年に完成し、中央のスパンは520m。当時、フォース橋の大工事を行うにあたり、多くの人に理解と協力を得るために人間を使って「構造原理を示すデモストレーション」が行われました。なお、「この橋の監督には、工部大学校(後の東大工学部)、グラスゴー大学を卒業した日本人、渡辺嘉一氏(後の東京石川島造船所社長)が当たっていた」とされています。

  

写真提供
 山野長弘氏(川田テクノシステム株式会社)http://www.kts.co.jp/topic/europe/vol2/eu2.html

参考文献
 川口衛・阿部優・松谷宥彦・川崎一雄『建築構造のしくみ』彰国社 1990
 三浦基弘「グラスゴー大学と日本」 都立田無工業高等学校研究収録第6


同志社中学校 沼田和也
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