官僚の志

技術教育研究会からの依頼原稿の中で,戦後復興時の文部官僚の話を書かせてもらった。教育に未来をかける思いが伝わってくる。
この議事録検索には,帝国議会会議録検索システムを使用。このシステムがなければ国会図書館に通って探さないといけなかった。有り難いことだ。

衆議院教育基本法案委員会第5回昭和22年3月19日会議録,54-57あたりを参照。

帝国議会衆議院の新制度を定める学校教育法案審議において当時の文部省学校教育局長の答弁が記録に残っている2)。戦争を放棄した日本は文化国家建設のため教育の徹底的な刷新改革が必要で、次代を担う青少年への期待はまことに大きいが、現状では子どもたちに試験管やフラスコどころか教科書も与えられない・・お金がないんですと答弁の途中で号泣し,一同沈黙したという。議事録には続けて以下のように記されている。
「敗戰の結果ではありますけれども、今日の日本を復興させるものは、現在戰爭にも責任のある私どもの力というよりは、何も知らなかつたこれから來る若い人たちの力によつて、日本は再びこの情ない状態を――失禮いたしました――盛り返さなければならないと思つております。これについては、私どもとしては教育に唯一の望みをかけておりますので、萬難を排して、私どものあとから來る者のために、喜んで踏み臺になつていきたいと思つております。」当時の官僚の志の高さを感じる。

muraさんの読書メーター

カテゴリー: 教育 — matsukun 23:19:12
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3 件のコメント »
  1. 貴重な情報をありがとうございました。敗戦後文部省が実施した学力テストは、限られた教育予算を学力に応じて傾斜配分するためだったと、「格差社会と教育改革」という本に書かれていました。
    また、新田次郎さんの「富士山頂」では、気象庁に勤める官僚の志の高さが見事に描かれていました。
    いずれも昭和30年代に活躍した官僚の話です。
    翻って、私はこういう仕事ができているかなあと考える次第です。

    コメント by むらちゃん — 2009/11/11 水曜日 17:52:06
  2. コメントありがとうございます。さすがブックブログ執筆者。良い本をご紹介いただきました。書いていただいたように,私も自分の仕事を振り返るいい機会となりました。
     今の官僚の中にも地上の星ではないですが,見えないけど,志高く仕事をしている人も多々いるかと思います(それを発掘するのがNHK的にはプロフェッショナルでしょうか)。そういう官僚の顔が見えたり,最後まで志高く仕事ができるシステムに改善できたらと思いますが・・簡単ではないですね。

    コメント by mura — 2009/11/11 水曜日 23:07:17
  3. muraさん、お返事ありがとうございました。
    富士山頂のリンクが失敗しましたので追記させていただきます。
    http://muratyan.cocolog-nifty.com/book/2008/05/post-9459.html
    大蔵官僚との予算折衝の場面、富士山レーダーが電波法にひっかかることから郵政官僚との折衝場面は読ませます。最終的に主人公の上司は左遷されてしまうのですが、それがまたかっこいいんですよ。
    もの作りという点では、山頂でレーダーを組み立てる作業員のボスの言葉も必読です。

    コメント by むらちゃん — 2009/11/12 木曜日 10:22:18
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