論文掲載2本

産技学会誌の次号に下記の2本の論文の掲載が決定。

1)村松,他12名: ロボット学習を通して形成される生徒の技術観・職業観を把握する意識尺度の開発

2)村松・土田・森山:中学校技術科のゲーム制作において著作権の権利処理を体験させる知的財産学習の効果

上記2本は,他と違い,やや思い入れの深い論文。

ロボット学習の方は,科研プロジェクトでもあり,その成果の一つが形になったという点でも良かったが,それ以上に,ロボット学習として新しい方向を提示した点にある。正確には,今までもロボコン実践で技術観とか言われていたけど,それを研究化したことに意味がある。

ロボット学習をはじめた頃から,技術開発の疑似体験という話をしていたが,当初はなかなか理解されなかった。理論的にも不十分で,説明不足。また,家庭を意識した生活技術の意識が強い中では無理からぬこととであった。学習指導要領が変わったことで,社会とのつながりや職業観,技術の評価等,多くの先生方にも意識されるようになり,だいぶ風向きが変わってきた。

選択技術の縮減で,大がかりなロボコンは退潮傾向にある。しかし,ロボット学習の最も要点は,ロボット自体ではなく,技術に対する興味・関心を持たせやすく,協同学習を構築しやすい点にある。言い方を変えると技術の世界を子どもたちがのぞき込む入り口ともいえる。現在の科研プロジェクトの中では,1年生の最初にロボットから入る実践が試みられているが,これが面白い。これらの成果もまとまったら紹介予定。

もう一本の知財話は,ジャストシステムのジャストジャンプ4@フレンドに搭載されている「ドリル作成ソフト」を使ったものだ。これは最初に構想段階から開発に関わらせてもらっている(他にも面白いツールが多々)。

ベースになっているソフトはゴミリス。「ドリル作成ソフト」のお陰で,非常に操作性が良く,短時間でゲームが制作できるようになった。このツールを単なるゲーム制作としてではなく,知的財産の学習として実践化している。ミソは著作物の使用許諾だけでなく,著作権契約を学校と生徒(保護者も)で交わすこと。

従来多かった著作権の禁止教育に対し,著作物を創るクリエイター側の立場に立たせ,知財を学ばせるという手法。もちろんゲーム制作でなくても適用可能。敷居が低い実践でお勧めである。「ドリル作成ソフト」自体は,前作のジャンプ3にあり,その時も知財話をしていたのだが,これも当時はあまり理解されず(^^; ロボット同様に,学習指導要領改訂で理解してもらえる方が増えてきたことは嬉しいことだ。

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カテゴリー: 技術教育, 知財, 研究 — matsukun 7:01:20  コメント (0)

知財学会年次大会

土曜日午前中は,日本知財学会の年次大会で知財教育分科会の提案者。ラウンドテーブル形式で,私の担当の所には,高校,大学,企業とそれぞれの異なるレイヤーの方が集まり,活発な議論ができる。全体でも活発に進む。特に,中国,韓国の方々も多数参加してくれたのが印象的。日中韓の知財教育連携プロジェクトの準備が整いつつある。
午後は一時抜けて,教育工学会の25周年シンポに参加。村井純先生の話はスケールも大きく,面白かった。Twitterでの使用言語が英語30%,日本語10%で日本語が意外に多い話や,ホワイトハウスのページにあるクリエイティブコモンズマーク等の知財トピックも参考になった。ホワイトハウスのサイトを見てみたら,確かにあった。市川伸一先生の実践に根ざした穏当な提案にも納得。最後に永野先生がTechnology Literacyの紹介をしてくれた。元の資料はこちらかな。

その後,再び知財学会に戻る。この学会の面白いところは,研究者,実務者,法律家,技術者,学校教育者など様々な分野,所属の方が集まるところ。研究発表で最も興味深かったのが,基礎法学教育の実践発表だった。従来の法学教育は,裁判所の視点で教育が構成されていて,当事者の視点が抜けているという指摘。これは法学部分を裁判所を他のワードに置き換えれば,技術や知財だけでなく,多くの分野に当てはまりそうだ。Technology Literacy同様に,法律についてのLiteracy話もされていたが,同意。分野の違う方の話を聞いたり,議論をすることは面白い。

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カテゴリー: 知財, 研究 — matsukun 6:29:39  コメント (0)

週末は東京

明日は日本知財学会では知財教育分科会のセッションのコーディネート。テーマは「知財教育における拡大の所在」。世良先生が精力的に取りまとめてくれる。途中で教育工学会の25周年記念シンポジウムに参加。その後,再び知財学会懇親会という往復の1日。多くを学んだり,議論してきたいと思う。

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カテゴリー: 知財, 研究 — matsukun 21:02:48  コメント (0)

ロボットアイデアチャレンジの表彰式

先週末に特許庁主催の報告書コンテストの本年度表彰式が九段下のホテルで開催された。
入賞した生徒さん達が一堂に集まった。最優秀賞の愛媛大附属中の生徒さん達のプレゼンは,短時間で要点をまとめ,CGも使ってわかりやすかった。2年生のコンピュータ利用の受講生だったら優をつけてもいいだろう。負けるな大学生!
いろいろ話を聞いてみると,3人で分担し,ほとんど自力でやったというのもすごい。報告書的には過去最高のレベルだと思う。個人的には,ローソクの日を見つけたら,象の鼻から水を出して消火するという,実用性も競技性も全くないのが面白かったけど。

表彰式前の委員会ではコンテストに関し,様々な議論がされた。企業の開発の委員の方から,図が少ない点に関わり,いきなり作りだし,現物あわせで仕上げているのではという指摘がされた。確かに写真の使い方は昨年に比べ,格段に上手くなったが,図の話も設計の話も大筋その通り。さすが見る目が違う。耳が痛い指摘だ。
報告書の取り組みは,単に知財の学び,表現の学びという話だけでなく,そこにそれまでの技術の学びが現れてしまう。いい報告書を書くためには,書き方のハウツーだけでは駄目だと再認識。優れた技術の学びがあってこそ,いい報告書ができあがる。書く技術はそれをより効果的に伝えるための手段に過ぎない。改めて技術の学びについて考える良い機会となった。

来年度に向けてロボット以外への展開も議論された。うまく実現し,裾野が広がるといい。

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カテゴリー: 知財 — matsukun 20:53:44  コメント (0)

青色LED本

有名な青色LED関連の特許紛争の書籍を読む。青色LED関連では様々な書籍が出ているが,客観的な立場で複数の事例も紹介しながら,技術経営問題について書かれていた点で,他の本よりも面白かった。技術立国はありえても,知財立国はありえないとして,競争力の源泉は特許よりむしろ,設計や製造のノウハウなど,内容が公開されない部分にある。知的財産権ではない企業の知的財産の重要性が書かれていた。
技術教育の中でも知財は大事ではあるが,知財に焦点化し過ぎると,かえって方向を間違える可能性がある。知財話に違和感を持つ人の多くは,この点を危惧しているのだろうと思う。中学校段階では,知財教育ではなく,社会と技術のつながりを学ぶための知財学習として,技術教育に位置づけることが適切だろう。

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カテゴリー: 知財 — matsukun 23:49:59  コメント (0)

ロボット展での研修会

東京ビックサイトのロボット展での研修会無事終了。学生から企業の方,中学校の先生方,指導主事まで幅広い方々が参加してくれた。遠山先生とのコラボも一段と洗練され,ワークショップも盛り上がった。

走り見だったが,ロボット展自体も最先端の様子を見学できるいい機会だった。




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カテゴリー: 知財 — matsukun 23:56:03  コメント (0)

知財実践論文の掲載

茨城県の県南地区で川俣さんらが中心になって取り組んでくれている実践を対象にした研究論文の掲載が決定した。技術教育的にも知財教育的にも価値にある実践だったので,論文化できたことは嬉しいことだ。もちろん研究的に穴があったり,課題があった部分もある。次の実践,研究につなげたい。

「CMSによる情報共有システムを用いた中学校技術科における知的財産学習の教育効果」
村松 浩幸・川俣 純・山口 治・森山 潤
日本教育情報学会誌第25巻掲載予定

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カテゴリー: 知財 — matsukun 18:33:19  コメント (0)

熊本研修会大盛況

遠山先生と熊本空港で一緒に。打ち合わせ?もかねて熊本城にアイデア発見(笑)。天守閣と共に,新しく修復された本丸御殿を見学。金箔張りの部屋も素晴らしかったが,継ぎ手の展示にも感心。図解と共に,いくつかの継ぎ手の模型が置いてあり,子ども達がパズルのように遊んでいた。木工技術の素晴らしさを伝えるいい方法だ。
知財教員研修は,田口先生@熊本大に声がけいただき,熊本市内や近郊の先生方が30名以上参加してくれ,会場も一杯となった。またネットで直前に見つけたと広島から駆けつけてくれた方も。有り難いことだ。
新しく導入した部品名→機能を書きだしていくアイデアフラワーシートも遠山先生とのコラボで効果的に活用された。熊本の先生方の高い意欲にも支えられ,ロボットのアイデア発見も今までで一番短時間でハイレベルな分析がされた。まとめは上野先生から技術科における知財教育。合わせて新しい学習指導要領の目指すところも理解してもらえたのではないだろうか。密度が濃い研修となったと思う。講師側もとても気持ちの良い研修となった。熊本の先生方の今後の実践の一助になれば嬉しい限りだ。終わってから先生方と一献。楽しい一時だった。


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カテゴリー: 知財 — matsukun 22:14:24  コメント (0)

Googleブック和解

Googleブック和解に関するお知らせが出版社から届く。アメリカでの和解案がベルヌ条約により,日本にも影響するという話はもちろん知っていたが,自分の所にもすぐに関係してきてビックリ。この和解案に出版社が参加することが最善の策と考えた結果だ。私の関係の書籍も既にデジタル化されていた。話のネタと教材に使うことにする。知財学習を考える上でもいいトピックだ。
言うまでもなく利便性と権利保護のバランスは難しいところ。岡本薫氏も指摘するように,全員が満足の状態はない。しかし,この流れは和解がまとまったことで今後ますます加速されるだろう。

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熊本での知財研修会

先月,旭川高専で実施した知財報告書コンテストの研修会を今週末に熊本で開催。詳細はこちら。すでに熊本市内の技術の先生方や熊本大学の学生さん達でかなりの人数になっているようです。近隣の方でご都合つく方は急ぎ申し込みを。
旭川に続き,遠山先生,上野先生と私の3人タッグで構成。熊本の熱い先生方とお会いできるのが楽しみ。

『今日から使える!アイデア表現力の指導術』

2009年10月31日(土)17: 00~19: 00 
会 場
熊本大学(黒髪北地区) 教育学部東棟1F 170教室(予定)
参加費:無料
(1)「技術科におけるアイデア表現とは何か」
信州大学 村松 浩幸 氏
(2)「特許のプロが伝えるアイデア表現法」
弁理士 遠山 勉 氏
(3)「演習:今日から使えるアイデア表現!」
※実際に生徒の製作品をもとにアイデア表現法をワークショップ形式で学びます。
(4)「新学習指導要領における“知的財産教育”について」
文部科学省 上野 耕史 氏


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カテゴリー: 知財 — matsukun 18:48:03  コメント (0)